イオン 岡山 周辺 岡山県庁舎から最後の音色響く (遠き山に日は落ちて-)「ミュージックサイレン」

 遠き山に日は落ちて-。岡山県庁(岡山市北区内山下)の「ミュージックサイレン」が31日、最後の曲を奏で、役割を終えた。故三木行治知事(1903-64年)の提案で現庁舎が完成した57(昭和32)年に設置され、60年近くにわたり屋上から時報代わりにクラシックの旋律を届けてきた。しかし、メーカーのメンテナンス期間が終わるため停止。親しんできた人たちが足を止め、拍手で別れを惜しんだ。 午後5時ごろ、いつものドボルザークの「家路」が流れると、県庁や県立図書館(同所)の前に人だかりができ、涙ぐむ人も。思い出の音を心に刻むため足を運んだ同市南区、男性(68)は「この近くの中学に通っていたころ、いつも聞いていた。一つの時代の終わりを感じる」と話した。 故三木知事ゆかりの三木記念賞授与式が行われたルネスホール(同市北区内山下)では、式後に出席者が屋外に出て静かに耳を傾けていた。 県庁のミュージックサイレンは91年に更新され、2代目。夕方のほか、正午はシューベルトの「菩提(ぼだい)樹」を流し、半径2-4キロまで響かせてきた。開発したヤマハ(浜松市)は既に部品製造を中止しており、9月以降はメンテナンスからも撤退する。 全盛期の昭和30-40年代には全国で約200台使用されていた。近隣の騒音問題なども持ち上がり、次第に減り、県庁と同機種を使っている自治体は愛媛県八幡浜市のみとなる。 岡山県財産活用課は「最近は止まることもあり、混乱を避けるため終了を決めた。理解してほしい」としている。ミュージックサイレンの旋律は同課ホームページで公開している。

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<岡山県庁>家路が最後の演奏に ミュージックサイレン終了

岡山県庁(岡山市北区)屋上からメロディーで時刻などを知らせてきた「ミュージックサイレン」が31日、長年の役割を終えた。

 1957年に設置され、91年に買い替えられた。騒音などの問題から演奏を中止した際には住民の強い要望で再開され、その後も1日2回、時を知らせた。生産元が8月で保守・管理業務を終え、県は「故障で突然終わってしまうよりは」と終了を決めた。

 「こんなに多くの人に愛された楽器はない」とメンテナンス担当者も感慨深げ。この日午後5時の「家路」が“名器”の最後の演奏となった。
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岡山県財産活用課 HP
県庁舎のミュージックサイレンについて

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吹鳴曲目
毎日12時「菩提樹」、毎日17時「家路」、12月31日24時「蛍の光」、1月1日7時「君が代」

  ○次のリンクから聴くことができます。(ファイルがダウンロードされます)

「菩提樹」  [その他のファイル/794KB]

「家路」    [その他のファイル/950KB]

「蛍の光」  [その他のファイル/818KB]

「君が代」  [その他のファイル/630KB]
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